
「日本はベンチャーを起業しにくい」と言うひとがいる。
もちろんこれは、
・夢みがちなVCが途中で話をねじ曲げがち
・規制が多いからそれをかいくぐることをベンチャーだと誤解しがち
・既得権者が強いからダンピング競争になりがち
というきらいもある以上、完全に間違いとは言い切れない。
しかし実際にはVCは基本的に出資先のソーシングに困っているくらいであり、また優遇税制や自治体による補助金等も潤沢に用意されており、これ以上のお世話は箸の上げ下げレベルに入っていく可能性がある。
この点、より詳細に突っ込めば、
・出資者側の情報流の未整備によるソーシングのボトルネックの発生
・ステージごとの資本政策の不在
・偏ったEXIT戦略
・EXIT後の成長戦略や実務能力の不在による投資家や消費者の不信感の増加
・アンダーグラウンド勢力の介入を許す市場運営
等、課題は山積している。
ただそれは「起業しにくさ」ではなく
「起業した後の成長のしにくさ」であり、実は問題が異なる。
少なくとも起業のしやすさという議論で言えば、
外部環境の整備よりも、残念ながら起業する側のビジネス経験や常識の不足によるものが少なくない。
── ハート・オブ・和代:クロサカタツヤの情報通信インサイト - CNET より
↓
そのとおりだよね。日本では起業はしやすいんだよ。
本業でのスキルと、ちょっとした財務の知識と、
小さな子供や専業主婦や長期住宅ローンを抱えてなければ。
むしろ、このクロサカさんのエントリにあるように起業した後の
ベンチャーを支えるマシーナリーがないんだよね。
まあ、これって、「起業する人が少ないからそういったマシーナリーがないんだよ」、
「いや、そういったマシーナリーがないから起業する人が少ないんだよ」、
という鶏と卵問題になっているんだけれどさ。
で、その「成長のためのマシーナリー」議論で言うと、
上のエントリに加えて、やたらと産業に対する規制や制限が多いのも障害なんだよね。
日本ではそいつらに対処するのに足を取られがちになり、
経営者がその対応で仕事をした気になってしまい、
本業に集中できなくなる可能性が高いんだよね。
そんな例を身近で見てきたよ。
例えば、会社を上場するときに必要なあまりにアホな条件の数々といったらありえないよね。
まあ、いずれにしろ、アジェンダを間違えた議論ほど不毛なものはないというのは火を見るより明らかな事実だ。
(via kashino) (via nemoi) (via kondot) 2010-05-08 (via mcsgsym) (via ipodstyle) (via yaruo)
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